■人材育成型評価制度の考え方
職員の能力アップをはかり、よりよい行政サービスを提供する
・ 人事行政の目的は、職員の能力を最大限に引き出し、組織力を活性化させて、住民によりよい行政サービスを提供することです。
・ 人事評価は、給与を査定するための制度ではありません。職員のモチベーションを高め、能力開発を促し、組織を活性化させるためのツール(道具)です。
いま人事評価制度は、処遇管理型から人材育成型へ
・ 民間企業では評価の結果を給与に反映させる能力主義や成果主義の給与制度が導入されましたが、組織内でさまざまな弊害が発生し、制度の見直しを迫られています。
・ 「頑張った者が報われる制度に」のキャッチフレーズのもと信賞必罰の人事制度(金銭報酬による外発的な動機づけ=モチベーション2.0ドライブ)が社員のモチベーションを高めるとこれまで信じられてきました。しかし、多くの経営学者や行動科学者、心理学者の研究によって「金銭的な報酬といった外発的な動機づけを使った人事管理は、社員のモチベーションをかえって低下させる」ことが明らかになっています。
・ さらに近年の研究から、仕事をとおした自己実現や仕事のやりがい(達成感)、自己の成長実感、社会貢献など、内発的な動機づけ(モチベーション3.0ドライブ)こそが社員のモチベーションを高く持続させることがわかってきました。
能力開発を促すコンピテンシー評価
・ コンピテンシー評価は、ハーバード大学の行動心理学者デビッド・マクレランド教授の研究成果から生まれた能力評価の手法で、アメリカのビジネス界では主に「能力開発のツール」として活用されているものです。
・ コンピテンシー評価は、具体的な行動基準で発揮された能力を把握する評価手法です。ですから、評価基準は職員にとって、どのような行動をすべきかの指針となります。
・ 評価結果をフィードバック(本人開示)することで、職員に自分の能力(行動)についての「気づき」を提供し、能力開発を促すことができます。
・ 岸和田方式の簡易コンピテンシー評価は、だれでも簡単に使える評価方法です。